



気が利いて性格も良く仕事も出来る、辞めてほしくないパートさん程すぐ辞める…と言った問題に直面された事はありませんか?
私は初めて社会に出てからかれこれ25年ですが、会社で働いている頃、辞めてほしくない人ほどすぐ辞めてしまう状態を何度も経験してきました。
なぜ、パートでも正社員でも有能で出来る人材ほどすぐに辞めてしまうのか…この記事で色々考察してみたいと思います。
目次
【パート】辞めてほしくない人が辞める問題とは
有能で性格も良く、気も効かせられて誰もに優しく出来るのに芯はしっかりしていて、嫌な事も顔色変えずに率先してやってくれる…以前働いていた会社に、そんな少し年配のパートさんがいました。
若い人への面倒見も良く、私も当時何度か問題が起きた時にそのパートさんに助けて貰ったものです。
しかしそのパートさんはパソコン操作が苦手でした。
当時働いていた会社は完全ペーパーレスを目指していたので、パソコン操作が不慣れだと仕事に支障が生じてしまいがちでした。
しかし、パソコンでの書類作成以外の事は、お客様の対応等を含めて完璧に出来る方だったので、適材適所でうまく人員を配置すれば会社の利益に繋がりそうに、私は思いました。
しかし、一従業員の思いとは反して、会社側はパソコンが使いこなせない人材を良いようには思っていないようで、そのパートさんもそれを良く分かっていて、会社への居辛さを感じている様でした。
そして結局そのパートさんは短期間で会社を辞めることになりました。
パソコン以外の事は本当に良く出来る方だったので、残された人は口々に
「なぜ他の従業員は皆んな〝辞めてほしくない″と思っていたのに、あのパートさんが辞めなければならなかったのか…。」
と、言っていました。
何故こんな事になってしまったのか…当時のこのパートさんのエピソードを元に、私は考察してみることにしました。
出来る人材は会社の事をよく見ています
仕事慣れしていて経験も豊富な所謂「出来る人材」は、その会社の本質を見抜く目も持ち合わせているものです。
会社の本質を見抜く目にはパートも正社員も関係ありません。
パートだから、非正規雇用社員だからと、正社員側が理不尽を押し付ける様な事をしていると、出来る人材程その理不尽を素早く感知して、その会社が本当に自分に利益をもたらしてくれる会社なのかを判断し、会社を見限る要素にしてしまうのです。
では出来る人材は会社のどういった部分をよく見ているのでしょうか。
それは、適材適所がしっかり機能していて、無駄な人員配置や能力にそぐわない配置がされていないか…と言う点です。
会社組織の中できちんとした「適材適所」が機能しておらず、経営陣や上司が従業員や部下の真の能力を把握出来ずに、都合よく従業員に高望みばかりする会社ほど、「辞めて欲しくない人ほど辞めてしまう」状態が起きやすい会社のように思えます。
この会社は適材適所が機能していない=経営陣や上司が無能だと言う事を仕事の出来る人ほど即座に感知し、この会社には未来が無いと判断して自分の能力の無駄使いをしない為にも辞めてしまう事が多いのでしょう。
この会社は適材適所が機能していない=経営陣や上司が無能だと言う事を仕事の出来る人ほど即座に感知し、この会社には未来が無いと判断して自分の能力の無駄使いをしない為にも辞めてしまう事が多いのでしょう。
パソコンは苦手でも社会経験の多い年配の主婦パートさんほど、そう言った目で会社を見て冷静に判断されている事も多いように思えます。
この会社は辞めて欲しくないパートさんほど短期間で辞めてしまう…そう感じてしまう場合、その会社はきちんとした適材適所が機能していて、経営陣や上司がしっかり従業員やパートさんの能力を把握できている「出来る会社」であるのかを、今一度冷静に見つめ直す必要があるように思えます。
そもそも入社時に求人詐欺に会っている
仕事が出来るのにパソコン操作が不慣れで、それが原因で辞めてしまったパートさんは、実はこの会社にエントリーする際、求人詐欺とも取れる会社の陰謀に巻き込まれてしまっていたのです。
だからこそ、このパートさんがこの会社に失望し、結果的に短期間で辞めてしまう判断材料になってしまったのです。
どう言う事かと言いますと、
パート募集の求人票に書かれている事に詐欺に近い事が書かれており、
「パソコンは初心者でも丁寧に指導しますのでご安心ください。」や、
「残業・休日出勤無しで、育児中のお母さんも安心して働けます!」
「みんな仲良く和気あいあいとした職場です。」など、
一見主婦でも働きやすそうで、フレンドリーな間口の広い職場を演出するような求人票の書き方はだったのですが、会社の本来の実態は、
「パソコン初心者は昼休みや時間外に常に勉強してすぐに慣れろ!」
「育児中だろうが何だろうが残業や仕事の持ち帰りは当たり前!」
「社長の前だけは皆仲良さそうだけど、実際は殺伐としています!」
だったのです。
こう言った、求人票に書かれている事と実際が違うと言う求人詐欺のような事がなぜ起こってしまうのか…それは結局は会社の「なあなあ体質」が原因だと私は思います。
とりあえず人材を確保さえすれば、あとはその人材の裁量でどうにかやってくれるだろう…と言う、今までもそのやり方でやって来たのだから…と言う、その会社が昔からやって来た昭和的な「なあなあ」なやり方が、今の令和の時代でも通用すると、未だに思い込んでいるのでしょう。
ただ、そのやり方をそのまま求人票に書いてしまうと当然エントリーは少なくなってしまうので、求人票には美味しい事だけを書いて人材だけは確保しようとする…万年人手不足に悩まされている=人材の定着率が悪い=会社の体質がブラック、な会社の行う常套手段です。
私の経験から言わせて頂きますと、求人票に上に書いたような
「初心者OK」や「和気あいあいとした職場」など、間口の広い書き方のしてある会社は、必ず何か裏があると思ってその求人のエントリーには慎重になる方が、求人被害に合わない為にも賢明だと思います。
そして無秩序で偉そうな上司達
上司や経営陣が無秩序でやりたい放題な会社…こう言った会社は出来る人材にとってはすぐにその本質を見抜かれて、この会社に本当に未来はあるのか、自分に本当の意味での利益をもたらしてくれる会社なのかを判断されてしまっています。
それは本来の仕事内容に関する事だけではなく、社内の清掃や整理整頓に関する事や、掃除の仕方など上司や経営陣があまり意識していない点でもしっかり会社の判断材料にされてしまっているのです。
以下に私が実際に経験した会社の理不尽な掃除エピソードを紹介します。
以前働いていた会社で、汚れている机を勝手に掃除したり片付けたりすると鬼の首を取ったように怒り出す上司がいました。
その上司の机は万年ぐちゃぐちゃで、片付けられている所を見た事がありませんでした。
筆記具や文具の管理もされておらず、机や引き出しにぐちゃぐちゃのままほったらかされてあったり、無造作に突っ込んであったり…。
置いてある書類や資料なども広げられたまま何カ月も放置してあり、その上に埃が降り積もって衛生的にもどうなんだろう…と周りの誰もが思っていました。
こんな机で、キチンとした仕事が出来ているのだろうか…私自身もあまり掃除が得意な人間では無かったのですが、そんな私ですらそう思ってしまう程、その上司のデスクはぐちゃぐちゃでした。
この会社は、お客様との打ち合わせスペースがオフィスの真横にあり、お客様に遠目でデスク周りを見られてしまう作りになっていました。
会社側からは特にデスク周りの片付けに関してはうるさく言われていた事は無いのですが、私を含め他の社員さんは、いつ誰にデスクを見られても印象を悪くしないように、常に綺麗に片付けるように心がけていました。
しかし先述した通り、その上司のデスクを勝手に掃除すると
「机に置いてある物の感覚が変わると、良い仕事が出来なくなる!」
などと無理難題を言って怒られるのです。
そのセリフを大御所漫画家さんや芸術家の大先生がおっしゃるのならまだ理解出来るのですが、仕事は部下やパートに任せきりのお飾り上司の様な人がおっしゃる事に、私は納得が行きませんでした。
しかし、口答えをしてまた面倒に怒られるのも嫌なので、誰がその状況に目を瞑っていたのです。
ある時、とあるパートさんがそんな上司のデスクの汚さを見かねて、その上司に何も言わずに掃除をしてしまいました。
案の定その上司は怒り狂い、掃除をしてくれたパートさんを叱責しました。
もちろんそのパートさんは大事な書類などを勝手に片付けた訳では無く、あまりに汚い部分を綺麗にしただけで、上司の仕事に支障が出る行為をした訳ではありませんでした。
そもそも、オフィスのデスクと言う物は会社の物であり、その上に置いてある物も本来なら他の社員が勝手に動かしても文句を言われる筋合いは無いはずです。
そのデスク周りを管理する人間は、掃除などでいつ誰に物を動かされても良いように、大事な物はPC内で管理したり、分かりやすくまとめて整理しておくべきでしょう。
そんな仕事の基本的な事も出来ていないのに、上司だからと掃除した方を責めるのは理不尽の極みです。
そして極めつけの理不尽は、
「掃除のタイミングは俺が指示したときだけだ!」
との上司の言葉でした。
なぜパート社員が理不尽上司が掃除して欲しい時だけ掃除しなきゃならないんだ…デスクを好き勝手使いたいのなら、掃除も自分自身で好きな時にやれよ…。
こう言ったレベルの低い上司の無理難題に、真面目に仕事に取り組むパート社員が振り回され、疲弊させられて行くのです。
こんな会社では出来る人程去って行きます!
先にこの会社の求人票詐欺の事を記述しましたが、
実はこの会社の求人票に騙された人は辞めてしまったパートさんだけではありません。
私自身も、パソコンさえ使えたら後の事は初心者でも、丁寧な研修を行うので大丈夫と書かれていたのに、その研修は全く行われませんでした。
他の先輩パートさんも全く同じように求人票を信じて入社したけど、丁寧な研修など行われずに、いきなり実践の場に掘り込まれて習うより慣れろを強制されたとの事…。
この様なやり方では、入社しても仕事に付いて行けない人が出てしまうのは当然です。
こんな仕事環境でやっていくのは無理…パソコンの事はなんとか慣れたとしても、今後も会社側に無理難題言われて、すべてにおいて習うより慣れろでごり押しで嫌な仕事を強制させられる事を、出来る人材ほど素早く感じ取って会社に見切りをつける事になります。
先述したパートさんも、そんな風に素早く会社に見切りをつけてこの会社を去っていく事になるのですが、習うより慣れろを強制する会社が無理だと思ったら、ダラダラと会社のやり方に不満を抱きつつも留まり続けるより、このパートさんの様に見切りをつける事もとても大切なのです。
辞めて欲しくないパートさんに限って短期間で辞めてしまう…それはそのパートさんにやる気がなかったからだ、仕事に対する姿勢がなっていなかったからだ…と辞めてしまったパートさんのせいにする上司や経営陣は多いでしょう。
しかし、辞めて欲しくない人ほど辞めてしまうのは、実はそのパートさんに会社の本質を素早く見抜かれていて、この会社が本当に自分に利益をもたらせてくれる会社なのかを非常に速いスピードで判断されてしまっている可能性が高いです。
そして、自分に利益がもたらされないと感じた場合、出来る人材程行動に移すスピードも速く、結果的に短期間で辞めてしまった…と言う事実になってしまうのです。
その状況を少しでも改善しようと会社側が気付けるのなら、その会社にはまだ未来はあるのかもしれません。
しかし、短期間で辞めてしまったのはそのパートさんにやる気が無かったからだと簡単に辞めた人のせいにしているのなら、その会社の未来はけっして明るく無いのではないでしょうか。